綿貫観音山古墳Ⅱ 石室・遺物編

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[基本情報]
シリーズ:群馬県埋蔵文化財調査事業団報告書第
     255集
発行元:群馬県教育委員会
出版年:1999
判:A4
ページ:本文375+図版82

[遺跡の概要]

高崎市の市街地の東方6km、井野川西岸の平野に立地し、北面して築造されている前方後円墳で、墳丘長97m、後円部径61m、前方部幅64mを誇る。墳丘は二段築成で、二重の馬蹄形の周堀を持ち、また、上記のとおり、前方部の幅と後円部の径、前方部の高さと後円部の高さはほぼ等しい数値を示しており、きわめて整然とした形態を有している。出土した副葬品や須恵器の特徴から6世紀後半以降の造営と見られている。墳丘上の各所には埴輪を配置しているが、葺石は全く認められない。埋葬施設としては、後円部中段に両袖型横穴式石室がある。西南に向かって開口するように設けられており、石室内はほぼ埋葬当時の状態を保っている。石室の規模は群馬県最大で、全長12.65m、玄室の長さ8.12m、幅(奥)3.95m、(前)3.16m、羨道の長さ4.53m、幅(奥)2.40m、(前)1.34mである。壁石はブロック状に加工された角閃安山岩が使用され、天井石には牛伏砂岩と呼ばれる石が使われている。重さは最大で22トンあるが、古墳の周りに巨石はなく、鏑川流域の産地から運ばれたと思われる。発掘当時、奥から2つ目の天井石と壁石が崩落しており、調査は難航したが、結果盗掘を免れる要因となった。石室では棺が使用されず、被葬者の遺体は間仕切石より奥の3.9m×3mほどの区画を屍床として、横置きに安置されており、このような遺体を直接屍床に安置する葬法は6世紀の関東地方の横穴式石室で多く見られるものである。なお、綿貫観音山古墳出土品は国宝に指定されている。

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カテゴリー:本・雑誌・漫画>>>本>>>人文
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