漆器はとても自分は作れないものと思っていませんか？
実はそうではありません！
漆器作りの数々の技法の中に『拭き漆』というものがございます。
木地に漆を塗りそれを拭きあげる作業を繰り返し、木目を透かして仕上げる技法で比較的簡単に漆を塗ることができる技法です。

この商品はその拭き漆を用いて自分の漆器を作るキットです。
漆の青色が木地に重なり、グレーのような色合いになります。
自分だけの漆器に育てたり、補修も自分で行えます！



【なぜ青色の漆を選んだのか？】

漆器久太郎の代表作ともいえるのが、青い木製食器「KyutarouBlue」シリーズがあります。

ここ越前で漆器に並んで盛んな「業務用食器」によく使われる「食器用ウレタン塗料」という塗料と技術を用いて作成した食器です。
KyutarouBLUEを作った当時は食器に青色はタブーという風潮が強く、実際に青色食器が少なかったため「それならば自分が作ろう！」ということでウレタンならではの発色性を活かして理想の青色を食器に追求したシリーズです。

KyutarouBLUEの木目の見せ方は私達のこだわり。
「木の魅力」「塗り物の魅力」を同時にわかりやすく伝えられる方法は何かないものか？と考え「半透明の青色」で木目を透かして両方の魅力を大切に表現しました。

それらを手掛けていた頃から、いつか漆でもそういった表現をしたいという思いがあり、青の拭き漆キットが誕生しました。


青漆は乾いていない間は一見明るい青色。
しかし乾燥すると渋みのある色に変化します。

その色を「拭き漆」の技法で本体に拭き上げると、なんとも不思議な深みのあるこのブルーグレーができあがります。


【拭き漆ってどんな作業？難しくないの？】

拭き漆は一度漆を塗り、それが乾かぬうちに拭いて何日か乾燥（硬化）させることを繰り返し塗り上げる技法のこと。

木肌色にブルーの漆をまとい、グレーのような深みを見せるこの色。
染み込み方や木肌の凹凸によって違う表情を見せ、塗り重ねるほどに青色が濃くなります。

カップ表面は食器用ウレタンを施しているため、そのままでも使用できます。外側だけ、内側だけ塗ったりとバリエーションをつけてもいいですね。


今回の拭き漆キットには工程を丁寧に書いた説明書を同封いたします。

少しでもスムーズに体験していただけるよう今回のキットを一生懸命作成しております。行き届かないところもあるかと存じます、わからないところはお気軽にお問い合わせください。



【素材・耐久性/補修も自分でできる楽しみ】


使っているうちに色が変化したり薄くなったりすることも味の一つ。
今回のキットを保存しておけば、再び拭き漆を施していつでも補修をすることが可能です。

カップまたはお椀は双方ともに木製（なつめ）です。
保温性に優れており、温かい飲み物を入れても手が熱くなりにくいです。

木製ですので、木の香りが楽しめます。
カップは特に木の香りが強くするため、人によっては気になってしまうかもしれませんが使用するにつれて薄らぎます。ご了承の上お買い求めください。


【商品内容】

4.拭き漆　お椀　2個セット

内容：お椀本体×2 青漆×1 テレピン油×1 手袋×2組 綿ウエス×8枚 筆×2 スポイト×2 説明書×1

※二個セットでも付属の漆とテレピン油は一本ずつとなります。
※付属の布は形が不揃いです。ご了承ください。



【キットの注意点/健康に関わりますので必ずお読みください】

※1　漆によるかぶれ
　漆によるかぶれが発生した場合の責任は負いかねますのでお気をつけください。
　塗り上がったものは完全に乾いてしまえば、かぶれる心配はございません。

※2　実物のお色について
　写真の色合いは実際のカラーと異なる場合がございます。
　また、漆の濃度や乾き速度、拭き方によっても変化いたします。
　本体が木という性質上、個々の製品のお色や木目にもばらつきがございます。



【最後に】

私達は伝統工芸を伝えるお仕事をしています。

このブルーグレーという色が完成