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ご判断のヒントになればと思い、よくいただく質問にからめて
私どもの作品のコンセプトや大切にしていることをまとめてみました。
Q:天板の木材には加工を施していますか?
もちろんしっかりと加工しています。
web上の画像だけでは具体的にどのような加工が天板に施されているのか分かりづらいですよね。
さらに弊社のコンセプトのひとつである「端材も活用する」という文言が「端材をそのまま使っているのか?」という誤解を招いている、ということもあります。
さらに付け加えると、木材加工において「できるだけ自然に近い状態の色味を目指す」という作者の好みもあって、画像だけでは余計に分かりにくくなっています。
さて、話を戻します。
仕入れてきた一枚板はそのままでは使えません。まずはクリーニング、そして形を整える作業を行います。
水で洗浄して使える物とそうでない物を見分けます。弱っている部分をカットしたり、反っている素材は水平にします。プレナー跡などの凸凹は電動カンナで平らにします。仕入れからこのあたりまでは「形を整える工程」と言えます。使う工具も荒々しい物が多いです。
ベースとなる加工が終わったらあとはひたすらサンディングをします。サンドペーパーは数字が大きくなるほど細かくなっていきます。一番荒いペーパーは40番、最も細かいと3000番のペーパーを使います。
荒いものから40、60、80、120、180、240、320、400、600、800、1000、1500、2000、3000と徐々に細かくしていきます。
素材によっても異なりますが、まずは1000番まで削って表面をツルツルにします。
それだけでも十分なのですが、そこからさらに木の表面に水を含ませて意図的に毛羽立たせ(木を膨張させる)先ほどの1000番のペーパー跡を目立たなくし、1500〜2000と整えて、塗装前最後の下処理を表面に施した後、3000番で仕上げる、という感じで磨いています。人によってやり方が違うと思うんですけど、自分的には今のところこの方法が一番キレイに仕上がるかな、と。
サンディングペーパーはホームセンターで触る事ができます。もし機会があれば1000番くらいのペーパーを触ってみてください。
削り終わったら次は塗装です。塗装については「大切にしていること②」をご参照ください。ついでに言うと裏面も表面と同じように塗装しています。表裏を同じ条件にしておくことで出来るだけ木の動きを抑えたいからです。
一枚板の印象を左右する樹皮部分もしっかりと加工しています。
こちらもまずは形を整える作業から。細かい凹凸の中に溜まった汚れを磨き落とし、取れてしまいそうな樹皮部分は外し、脆いところは補修し、目視できるすべてのささくれを除去し、尖った部分は先端を丸めて、と地味な工程の連続です。
一通り終わったら樹皮部分も塗装します。実は天板の表面よりも汚れに強い専門的な塗装を樹皮部分に施しています。なぜなら樹皮部分に汚れが染み込むとリフレッシュ加工が難しいからです。樹皮部分の細かいくぼみの底はなかなかサンディングできませんからね。(画像5〜6枚目)
さて、弊社ではアイアン脚も製作しています。ひとつひとつ形が違う木の寸法にピタッと合わせています。経年によって木が反ったり割れたりする可能性はあります(木の動きについては大切にしていること①をご参照ください)が、少しくらい木が動いたとしても脚底に備えたアジャスターで対応できるようにしています。
アイアン脚の塗装も自社で行なっています。そのまま塗料を吹き付けても「いい味」が出ないので、より自然な金属に見えるよう凹凸を付けたり、衝撃に強い塗膜が得られるように下塗り材を試行錯誤してみたり・・・。本格的な塗装屋さんの設備がない分、いろんなものを試してより良いものを探しています。
ざっくりとですが、上記のような工程でテーブルを製作しています。
お客様がダイレクトに見て触って感じることが出来ればこのような説明は要らないのかもしれませんが、実店舗を持たないことで大きなコストカットが出来ています。
さらに木の加工、脚の製造、塗装をすべてワンストップで(というか一人しかいないので仕方なく)行っているのも弊社のテーブルがリーズナブルな価格設定である理由のひとつです。「他と比べて極端に安い価格設定」も「本当にしっかりと加工しているの?」と誤解を招く要因なのかもしれません^ ^。