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カートに入れる
古代から伝わる計算器の「算木(さんぎ)」をご存じですか?
電卓や算盤が普及するまで使われてきた計算器で、奈良時代に日本に伝わってきてから江戸時代まで使われておりました。
算盤が室町時代に普及してからも、算木では三次方程式を解いたり円周率を求めるなど高等な計算ができたことから算盤と並行して使われており、特に江戸時代では「和算」といって高等な数式を解くことがパズルのように流行したことから、明治時代に計算尺が伝わるまで親しまれてきました。
赤い棒でプラスの数、黒い棒でマイナスの数を表現し、これらを組み合わせたり動かしたりすることで計算を行うのですが、この作業そのものがとても楽しいものです。
特に「10」集まったらその上の桁に「1」を加える「繰上り」や、上の桁から「1」借りてきてその下の桁に「10」を加える「繰り下がり」がとても分かりやすいので、算数の初歩で躓いて算数嫌いになりかけている子供さんにとっては、興味深い刺激になるかもしれません。
また、算数のドリルをこの算木で解くことはパズルのように楽しい作業で、頭と手先を同時に使うので、ちょっとした気分転換にもぜひお勧めです。
高齢者の方にも「脳トレ」としてぜひおすすめです。
とてもクラシックな計算器「算木」を使ってみることで、大昔のくらしにロマンを感じてみてはいかがでしょうか。
本来はもう少し細くてながい棒だったようですが、工房黒坂製作所で復元する際に、取り扱いやすいようジェンガのようなサイズとし、専用ケースも新規で設計いたしました。
●仕様
算木寸法:10×18×60㎜
ケース寸法:184×140×60㎜
材質:針葉樹無垢材(オイルフィニッシュ)
本数:赤×50本 黒×30本
※天然木材を使用していることから乾燥の収縮によって若干寸法が変動することがあります
#「本気の自由研究」企画のエントリー作品
・作品テーマ
古くから使われてきた「算木」という計算器を現代によみがえらせました
・そのテーマにした理由
うちの定番アイテムの「足の裏復活器」の製造ではたくさんの細材が端材として出るのですが、大量の寸法がそろった端材をそのまま処分するのは忍びなく、何か作ることはできないかと考えたことがきっかけです。
この算木は実際に使ってみるとなかなか面白く、子供の教材としてだけでなく頭のトレーニングとして優秀だと感じました。
・使ったもの
足の裏復活器の製造過程で発生した木の細材
テーブルソー、スライド丸鋸、トリマー、自動カンナ、サンダー各種、ワトコオイル
・大まかな制作手順
①端材を指定の寸法に製材しカット
②収納ケースも材料を切り出して面取りし、研磨して組み立て
③ワトコオイルでオイルフィニッシュ
・感想
単純な道具ではありますが、高等数学も解くことができる算木は現代においても結構見直されてよいのではないかと思いました。
楽しい数学パズルのように楽しんでいただけたら何よりです。